なぜそうなるか

出張買取で売る家具や本は、訪問購入の「物品」から外れる——特定商取引法の施行令は、自動車・家電・家具・書籍など6つの物品を挙げていました

引っ越しや片付けの前に、家まで来てもらって物を売る。大きな家具や段ボールいっぱいの本を運ばずに済むので、出張買取は助かる場面があります。

家に来た業者に物を売る取引には、特定商取引法の決まりがかかります。勧誘の前に名乗ることや、売ったあとに考え直す期間があることは、よく知られるようになりました。

ところが、売ろうとしている物によっては、その決まりの外に置かれることがあります。何を売るかで扱いが変わる、というのは意外に感じるかもしれません。

とくに気になるのは、家具や家電、本やCDのように、家の片付けでまとめて出てきやすい物です。こうした物がどちらに入るのかで、話の前提が変わります。

消費者庁の特定商取引法ガイドには、訪問購入の頁のほかに、外れる物品の具体例を並べたPDFがあります。さらに e-Gov では、その物品を定めた政令の条文を読めます。

この記事では、その3つを原文から開き、外れる物品を書き写して並べます。特定の業者を選ぶための記事ではなく、買取価格の相場も扱いません。手元の物がどれに当たるかは、最後に原文か相談窓口で確かめてください。

この記事でわかること
・訪問購入の「物品」からは、政令が挙げた物品が外れると消費者庁は書いている
・外れる物品は、特定商取引法施行令第34条に6つ並んでいる
・自動車は、二輪のものを除いて外れる
・家電は、携行が容易なものを除いて外れる
・家具・書籍・有価証券・CDやDVDなども、外れる物品に入っている

訪問購入の決まりから、外れる物があるの?

家に来てもらって売るなら、何を売っても同じ扱いになる?

消費者庁は、政令が挙げた物品は訪問購入の「物品」から除かれると書いています。

特定商取引法ガイドの「訪問購入」の頁は、訪問購入を定義した一文に注を付け、対象になる物品をこう絞っています。

「売買契約の相手方の利益を損なうおそれがないと認められる物品」又は訪問購入に関する法の規制の対象となった場合に「流通が著しく害されるおそれがあると認められる物品」として、政令第34条に列挙されている物品を除きます。

外れる理由として、頁は2つの型を挙げています。売る側の利益を損なうおそれがない物と、規制をかけると流通が著しく害される物です。どの物品がどちらの型に当たるかまでは、この頁には書かれていません。

政令の条文は、どう書いている?

e-Gov の特定商取引法施行令では、第34条の書き出しが次の一文です。

法第五十八条の四の政令で定める物品は、次に掲げる物品とする。

「法第五十八条の四」は、特定商取引法の中で訪問購入を定義した条です。この条の政令で定める物品として、第34条は一号から六号までの6つを挙げます。

外れる6つの物品は、何?

具体的には、どんな物が外れるの?

自動車・家電・家具・書籍・有価証券と、音や映像を記録した物の6つです。

第34条の物品それぞれに具体例を付けたPDFも、消費者庁から出ています。条文の6つを、PDFの具体例と並べると次のようになります。

第34条の号物品PDFに並ぶ具体例(一部)
一号自動車(具体例の欄は空欄)
二号家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く)冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ受像機、電子レンジ など
三号家具たんす、机、ソファー、ベッド、棚 など
四号書籍事典、全集物、写真集、雑誌 など
五号有価証券(具体例の欄は空欄)
六号音・影像・プログラムを記録した物レコード、コンパクトディスク、DVD、コンピューター用ソフト など

表の「具体例(一部)」は、PDFの欄から当方が抜き出したものです。PDFの欄にはもっと多くの物が並んでいます。

家具と書籍の欄には、何が並んでいる?

家具の欄は、たんすや机に始まり、金庫まで続きます。

たんす、机、いす及び腰掛け、鏡台、ソファー、ベッド、マットレス、テーブル、レンジ台、テレビ台、棚、サイドボード、げた箱、衣類整理箱、金庫

書籍の欄は6つです。

事典、全集物、写真集、問題集、雑誌、単行本

片付けでまとめて出てきやすい家具と本は、どちらも第34条の物品に入っています。

車やバイクは、どちらに入るの?

車を家まで見に来てもらって売る場合は、外れる側?

外れるのは、二輪を除いた自動車です。

第34条の一号は「自動車」とだけ書いています。この語の意味は、同じ施行令の第14条で決められています。

自動車(二輪のものを除く。以下この条及び第三十四条第一号において同じ。)

第14条のこの書き方で、第34条の一号の「自動車」からも二輪が除かれます。消費者庁のPDFも、一号の物品名を次のように書いています。

自動車(二輪のものを除く。)

二輪の自動車は、第34条の一号には入っていません。二輪が訪問購入の決まりの中でどう扱われるかは、この記事では当てはめていません。

家電は、どれでも外れるの?

スマートフォンやカメラのような小さな家電も、外れる側?

条文は、携行が容易なものを家電の中から除いています。

第34条の二号の物品は、次のとおりです。

家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く。)

PDFの二号の欄は、電気温水器や冷蔵庫、エアコンのように、据え置いて使う物が中心です。どの大きさから「携行が容易」になるのかは、読んだ3つの資料のどこにも書かれていませんでした。

手元の家電がどちらに当たるかは、この記事では判断していません。売る物が決まっていて迷うときは、消費生活センターなどの相談窓口で確かめてください。

外れる物品を売るときは、何が変わるの?

消費者庁の頁の定義どおりに読むと、第34条の物品を買い取る取引は、頁の言う「訪問購入」に当たらないことになります。これは定義の文から当方が読んだもので、頁がそう言い切っているわけではありません。

外れない物品を売るときの、売ると決めたあとの品物の扱いは、出張買取で売ると決めた品物は、クーリング・オフの期間中なら渡さなくていいで、引渡しの拒絶を中心に整理しました。

外れる物品の取引に、ほかの法律の決まりがかかるかどうかは、読んだ3つの資料には書かれていません。この記事では扱っていません。

この記事で確認したこと

出張買取(訪問購入)の決まりから外れる物品
・政令第34条に列挙されている物品は、訪問購入の「物品」から除かれる(消費者庁)
・外れる物品は、自動車・家庭用電気機械器具・家具・書籍・有価証券・音や影像を記録した物の6つ(特定商取引法施行令第34条)
・自動車は二輪のものを除く(施行令第14条・消費者庁の具体例)
・家電は携行が容易なものを除く(施行令第34条第二号)
・どの大きさから携行が容易になるかは、読んだ資料に書かれていない

よくある質問

着物や貴金属は、6つの中に入っていますか

第34条の6つの号にも、PDFの具体例の欄にも、着物や貴金属という語は出てきません。消費者庁の頁の定義は、第34条に列挙された物品を除く、という書き方です。手元の品物の扱いは、原文と窓口で確かめてください。

具体例の一覧に無い家具は、外れないのですか

PDFの題は「具体例」で、欄に並んでいるのは例です。一覧に無い物がどう扱われるかは、PDFには書かれていません。

この整理が変わる条件


出典

売る物が決まったら、第34条の6つの号とPDFの具体例の欄を開き、その物がどこかに書かれているかを先に見てください。

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